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枢木レイさんのブログ

2025年7月12日 (土) 20:52

独身税というワードについて思うこと

2026年から子育て支援金という名目で、社保の負担が増えることが確定した。 ネットでは、独身税と揶揄されているが、 私は「独身税」という言葉に違和感を感じている。 子育て支援金を支払うのは、独身者ではなく、 保険料を納める国民=健康保険に加入しているすべての国民だ。 日本は国民皆保険なので、すべての国民に、 支払う義務が発生する。 負担額は、年収500万円なら、月500円程度。 これは、独身に課される罰金というよりも、 勤労世帯に対する事実上の増税であると考えられる。 ゆえに、独身税という表現には違和感を覚える。 独身税という言葉が一人歩きしていて、 その中身を正しく理解している人は少ない。 良くも悪くも「独身税」というキャッチーな言葉はバズる。 ゆえに、バズらせることで、利益を得られる人が勝手に作った言葉だと私は考えている。 私は、子育て支援金制度自体を批判するつもりはない。 国は、少子化がヤバいと言って、若い女性に子どもを産ませようと必死になっているが、 若い女性代表として言わせてもらうと、 今の時代の子育ては、無理ゲーだと思う。 20代の平均年収は、300万円強。 年収300万円なら、月の手取り額は、20万円くらいになる。 夫婦共働きなら、世帯年収600万になるが、 女性が出産すると、一時的に収入が落ちる。 産休・育休が認められる会社なら、 社会保険から、ある程度の給与補償は受けられるが、 産休・育休を取るのは簡単じゃない。 仮に、育休から復帰したとしても、 フルタイムで働きながらの子育ては、しんどい。 朝起きたら、子どもを送る準備をして、 仕事を終えたら、子どもを迎えにいく。 帰宅したら、夕食や入浴の世話に追われ、 残った家事を片付けていたら、 すでに、寝なければならない時間になっている。 自分の時間なんて、皆無に等しい。 子どもが熱を出すたびに、早退していたら、 会社に居づらくなることも想定される。 良くも悪くも、保育園は、病原菌の巣窟だ。 誰か1人が風邪を引いたら、風邪のうつしあいが始まる。 かと言って、退職したら、年収300万強の夫の収入だけでやりくりするか、 扶養控除内のバイトでもして、年収400万程度の収入で、生活せざるを得なくなる。 女性にとって何よりも恐ろしいのは、シングルマザーになるリスクだ。 シングルマザーの生活は厳しい。 シングルマザーの半分は、相対的貧困層=生活保護と紙一重の年収だ。 高給取りの専門職でもない限り、生活保護を受給した方が、楽な生活を送れる。 ぶっちゃけ、最低限の生活をさせるだけなら、 生活保護でもいいだろう。 しかし、生活保護では、満足に子どものやりたいことをさせてあげることは難しいだろう。 私は、飯を食わせるだけの親にはなりたくない。 子どもが野球をやりたいと言い出したら、 少年野球くらいはさせてやりたいし、 子どもが大学に行きたいと言ったら、 奨学金なしで、国公立に行けるくらいの学費は出してやりたいと思う。 旦那から養育費をもらうのも、現実的ではない。 まともに養育費を払っている父親は、4人に1人だ。 旦那の給与から取り立てるにしても、コストと労力がかかりすぎる。 最悪、法テラスを使えば、安価もしくは無料で取り立てもできるが、 それは相手が会社員で、安定した収入がある場合に限る。 父親が自営業だった場合、養育費を支払わないために、わざと売上を小さく見積もって、 養育費から逃げようとするケースもある。 最近は、デキ婚も認められつつあり、 身重の女性が、ウェディングドレスを着るケースも少なくはないが、 子どもの福祉を考えると、決して合理的な選択肢であるとは言えない。 仮に、結婚していない男性との子どもを妊娠したとしても、 相手が責任を負うような男であるとは限らない。 デキ婚して、ハッピーになったという人もいるが、 それは、たまたま相手の男が責任を取ったからであって、 相手が無責任or責任能力に欠ける場合、母親と子供が苦労することになる。 子どもの幸せを1番に考えるなら、男を信用しないのが最善策だとさえ思う。 これらの負担を考えると、勤労者に1人500円の負担を強いるのも、致し方ないと思う。 問題なのは、その子育て支援金が、 本当に子どものために使われているかどうかだ。 最近は、国が子育て世帯を応援するような政策を考えているが、 子育て世帯を取り巻く環境は、楽になるどころか、しんどくなっている。 独身税というバズワードは、怠慢な政府にとって都合がいい言葉だ。 悪いのは、まともな政策を考えられない政府なのに、 独身税という言葉がバズることによって、 子持ち世帯と独身者の対立構造ができて、 お互いがお互いを叩き合ってくれる。 本当に叩くべきなのは、ライブイベントによって、自分と異なる人生を歩む人ではなく、 まともな仕事をしない政治屋だ。 独身税という言葉に惑わされてはいけない。